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Seasons Letter
#21
森の小屋暮らし
(冬編)

築30年の山荘をリノベーションした森の小屋「My Window」から、毎回、四季折々の日常風景をお施主さん自らがレターにしたためた連載シリーズ。今回のテーマは“今冬の新たな気づき”です。

 

御影用水にも雪が積もって、別世界となった

大雪の日のダックたち。雪でも関係なく餌を探して泳ぎ回っていた。寒くないんだろうか?

今年の冬は大雪や厳寒の印象はありませんでしたが、2月のある時期だけ、極めて寒くなりました。

1週間くらいマイナス17度まで下がるという10数年ぶりの寒さでした。

噂によるとあちらこちらで水道管が破裂するなど事件が多発したということです。

我が家の外観。木々の茶色と雪景色の2色の世界が山らしい

我が家は6年前に家を丸ごと冬仕様にしていただいたので、そのような被害はありませんでしたが

2週間ぶりに軽井沢の家に到着(お昼に東京を出て午後4時くらいに軽井沢へ到着)して気づいたのは、

キッチンの水道だけが凍って出なくなってしまい、
(ちなみに不在時には布で蛇口をくるんだりと工務店のアイデアでしっかり防備しておりました)

7時間くらいお湯を湿らせたタオルでシンクをくるんだり、

湯たんぽを水道管に巻いたりして

11時頃に水道が出るように。

トイレやパウダールームの水は全く問題なかったのですが

おそらくキッチンは床から蛇口までの間が少し長かったのが要因なのかもしれません。

そんなことくらいで、あとは至極快適な冬の別荘ライフでした。

リビングの2面開口から眺める雪景色は圧巻です。まるで雪の中に佇んでいるような気分に

 

今シーズンは軽井沢プリンスホテルスキー場のシーズン券を購入。

そうすることの何が良いかと言いますと、

朝1時間や2時間だけでも勿体無くないので、気軽に行けるということです。
(昨今、スキーのチケットはすこぶる高騰し、半日券でも6,000円くらいしてしまう)

軽井沢プリンスホテルスキー場の頂上からの眺め。旧軽井沢市街の眺め。駅を軸に小さな町が広がるのがわかる

北斜面なので、朝8時半くらいからゲレンデには日差しが入り、やっと暖かくなります。

10時くらいには混みだしますので退散!

見晴らしの湯から眺める北アルプス。この連山があることにより軽井沢ではほとんど雪が降らない

 

軽井沢の2月というのは、多くのレストランが冬期休業をしてしまいます。

その間、結構お蕎麦屋さんに困ります。
(この1年はほとんど自炊に切り替えておりますが、お蕎麦は外で食べたいところ)

3月に再びオープンした追分の「ささくら」へ行ったときは、久しぶりのそば粉のコロッケが本当にしみました(笑)。

追分の蕎麦屋「ささくら」のそば粉のコロッケは大好物。冬期は長期休業だったので久しぶりにいただく

 

軽井沢は雪が降ると寒い印象ですが、じつは雪が降ったときのほうが暖かく感じたりします。

我が家も夕方、散歩から帰宅し、外からあかりが灯った別荘を眺めると

とても温かい気持ちになり、「ホテルではなく自らのお家があってよかった!」と実感するのです。

雪の中の母屋は夕方に明かり灯るとほんわか灯篭のように。冬ならではの家の趣き

そういえば、「陶芸小屋をつくろう」と、ふと思いつき「もう一軒! 小屋が欲しい!」と

御代田と追分界隈を不動産屋さんと周りました。

1年半前に長野ナンバーとして購入したfiat 500は本当に可愛らしくて、雪が積もっても赤い雪だるまみたい

10年前に比べて価格は驚くほど高騰し、なかなか理想の敷地に巡り会えず残念ではありました。

軽井沢は、イエローゾーンからレッドゾーン(浅間山噴火における危険度、台風などの危険度が主にその地域とされています)へ変わる地域も増えたようで、

購入を検討される際にはそこを必ずチェックしてみてください。

 

新しいスポットも発見しました。

3月にオープンした中軽井沢の蔦屋書店。ピクニック気分で親子で遊べる

軽井沢には本屋が少なくて、中軽井沢の「蔦屋」だけでしたので、

最近はわざわざ佐久の「蔦屋」に行っておりましたが、

やっと(蔦屋ができるという噂は何年も前からあったのです)中軽井沢の広大な敷地に完成。

そこは今時のグランピング仕立てにできており、

分塔型でカフェ、蕎麦屋さん、ワインバーなどなど多くの飲食が集まり

その中心に大きな広場があって、そこには椅子もあり、、、

屋台のようなお店で購入したコーヒーや料理を自由にいただくことができます。

きっとこれからのシーズン、親子連れがピクニック感覚で訪れるようなスペースになりそうです。

我が家の外観。木々の茶色と雪景色の2色の世界が山らしい

都心と違い山の暮らしは自然と対峙して共存するのが掟。

去年の2月は突風が吹いて、隣家の大木が我が家に倒れ込み

屋根を突き破るという事件がありました。

一昨年は寝室の屋根裏に地蜂が巣を作って蜂の大群がいたり、

また、寝室の枕の下にアリが卵を生む(玄関からアリの行列も発見)ということもありました。

朝起きると小動物の足跡がたくさんあり、私たち人間がよそ者であることを認識できる

水道管対策や倒木、そのほか思いも寄らないことが起こるのも別荘の醍醐味とも言えます。

その度に「私たち人間は勝手に売買して自分の陣地」と思っているだけで、、、

そうではなく「よそ者」だと自負します。

お正月飾りはシルバー系のグリーンで

もうすっかり新緑も落ち着いているころですから、

次に別荘へ行く時は野生の藤の花を見るのが楽しみです。

winter.2023

 過去のレターはこちらから。

森の小屋暮らし #20
森の小屋暮らし #19
森の小屋暮らし #18
森の小屋暮らし #17
森の小屋暮らし #16
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森の小屋暮らし #14
森の小屋暮らし #13
森の小屋暮らし #12
森の小屋暮らし #11
森の小屋暮らし #10
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森の小屋暮らし #07
森の小屋暮らし #06
森の小屋暮らし #05
森の小屋暮らし #04
森の小屋暮らし #03
森の小屋暮らし #02
森の小屋暮らし #01

竣工時の模様は、こちらよりご覧いただけます。