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オンデザイン論
#04ワークショップから考える。

text :fung cheuk ting
photo:mayu kawakami

オンデザインの働き方

大西 イベントだけではなくて、ばっと書類を広げたいとか、少し何かやりたいってなった時に、2階とは気持ちを切り替えてイッカイを使えるのがいいなと思っています。

澤井 場所が増えたのは本当にいいことだよね。 今まで選択肢が自分の机か打ち合わせ用のテーブルしかないのがしんどかったよね。みんないい感じに使いこなしてくれているし。
フンさんはどうですか?ワークショップやってみて。

フン みんな仕事以外のこともよく考えているなと思いました。そもそも、新社会人だから他の会社と比較ができないんですけど…。ワークショップをやって、オンデザインがどういう会社なのか知れたのがすごく良かったなって思っています。あと、七夕の笹を飾った時、ワークショップで出た願望がすぐに実現したことに驚きました。みんなで飾って、スタッフの皆さんも書いてくれて、最後、きちんと短冊をお焚き上げしました。たまには季節を感じたり、仕事以外のことも楽しめるのはいいですよね。

事務所の2階で早速実現した七夕の短冊飾り

澤井 仕事ってついつい時間を忘れてやりすぎちゃうんだけど、意識的にオフをきちんと決めた方がいいなって。

 

オンとオフの切り替え

フン イッカイができて、オンとオフの切り替えができるようになったと思いますか?

澤井 そうね…。でも、1階がオンの時もある!2階にいる時はのんびり打ち合わせをするんだけど、1階はパリッとして、 お施主様とお会いするとか、プレゼンするとか、そういう意識の切り替えもあるかな。 

イッカイの設計を担当した澤井さんと振り返る

フン 私ももうちょっとイッカイを使いこなせるようになりたいです。

澤井 たまに、イッカイでコーヒーを入れて休憩するのが楽しい。 昔も2階でやってたんだけどね、突然OLごっこみたいな。笑

大西 コロナで来客の人にはコーヒーではなくペットボトルのお茶を出すようになり、コーヒーを入れる習慣がなくなったのがイッカイができてまた復活した感じがします。

フン 私の地元の香港にはアフタヌーンティーという文化があって、午後3時になったら、コーヒーを淹れて、みんなで休憩しながら最近のことを話します。

澤井 そうそう、淹れる時に自分の分だけじゃなくて、5、6杯入れて、カウンターにいる人に分けて、ついでにちょっと話す。カフェ部も、イッカイができてやりやすくなったって言ってた。

大西 カフェ部もあるんですか?!

澤井 「おいしいものが食べたい」っていう欲求があったじゃない?その要望は前からみんなの中にあって。昼ごはんも夜ごはんも、電子レンジだけじゃなくて、軽く料理ができたらいいのにってずっと言ってたから。コロナの影響でご飯を食べるイベントとか、 みんなで集まるイベントとかが減ったけど、会って喋って、そういう関係性があってなんぼみたいなとこがあるというか…仕事よりちょっとだけ踏み込んだ方が上手くいく、みたいなところがあるじゃない。雑談したり、ちょくちょく会った方がいいんだよね。

 

オンデザインと地域の関係性

澤井 まちづくりを担当しているスタッフが、思っていたよりも早く、ここを「自分たちの場所」として使いこなせる人を呼び込んできた気がする。

大西 オンデザイン内からの発信だけでなくて、外の人がイッカイを使いたいですというのが多そうですね。

フン それ、ありました。高い頻度で電話がきて、1階のスペースを使いたいですって。
イッカイが関内の通りに面していることから、オンデザインを知るんですね。

澤井 マニュアルを作らないといけないね。

大西 たしかに。オンデザインで運営している拠点の弥生台TRY BOX、みなまきTRY STANDにはルールというものがあるのですがそれを応用して、ちゃんと作れそうな気がします。

澤井 イッカイを管理するコミュニティマネージャーが必要だね。

大西 イッカイ担当がいるとより使いやすくなりそうですね。まちとの繋がりでいうと、クリスマスにガレッジセールをやりましたね。オンデザインは事務所で使わなくなった素材サンプルのタイルの上に、模型の点景を置いて作った小さな模型を売りました。地域の人が結構来てくれて、ここは何をやってるところなんだろう?というところから、設計事務所ですっていうお知らせができたというか、まちとの新しい繫がりができたかなっていう感じがしました。

クリスマスにはイッカイでガレージセールが開かれた。

澤井 まちへの挨拶の仕方は、工事中からずっと課題に思っていて。1回、千代田さんが「飲食店じゃないよ。設計事務所だよ。」っていうポスターを作ってくれて。それが唯一のインフォメーション。今は何もないから、何かサインを入れてもいいよねってずっと思ってるんだけど。意外とみんなやり渋ってて。
元々、玄関の設計をする時に、カフェみたいにしようっていう話があって。西田さんに、カフェだと思って間違えて入ってきてほしいか、それとも間違えないでほしいか、どっち?って聞いたら、間違えて入ってきてほしい!って。だから、間違えて入ってくるような線引きの仕方にしたんですよ。表に看板もつけないし、敷居も低くしたし、受付みたいな感じも出さなかったし…。町のみんながサインとして受け取るような要素を一切つけない方向に整えたので、間違えて入ってくるのが正解なんです!

大西 たしかに。お昼ご飯を食べていると、飲食店なのかな?ここは何屋さんかな?って、結構覗いてくる人がいます。

工事期間中に、町へのお知らせとして貼られたポスター。

澤井 今はまだ、「ここは設計事務所です、カフェではありません。」って明確な情報を書かずに、ここは何だろう?っていうタームなのかなって思っているんだよね。だから、ゆるゆると、なんか変なとこあるぞ?っていう、イッカイの中の様子とか、イベントとかで、徐々に自己紹介されていくみたいなそういう町への染み込み方なのかなって。

フン この前も朝、男の人が入ってきて、「コーヒー1杯ください」と言われて…。ここは建築設計事務所ですって事務所の案内をしました。

澤井 間違えて入ってきた人に渡せる小さな案内は必要だとずっと思っている。SNSのQRコードだけのショップカードみたいなものとか、物件が2件ぐらい見れる写真とか、beyond architectureのZINEでもいいんだけど。でも、そんな風に案内がある方が親切かなと思う一方、ここが何かよくわからないことにも価値がある気がしていて、そんなに親切でなくてもいいのかなとも思っている。

大西 いい感じに根付いてきてるように思いますよね。前より迷い込んでくる人は減ったし、町の人たちもなんとなく何かの会社なのかな?みたいな…。

澤井 自己紹介できるようにならないといけないってことだよね。なんて言うのがいいんだろう。

フン 「実験する場」ですかね?

澤井 おじいさん、おばあさんにもわかるといいよね。

フン 週末は「スナックサワイ」でどうですか。

澤井 それだとお客さんが来ちゃうよ。笑

大西 関内のコアなお客さんが来るかもしれないですね。

全員 笑

後日、「喫茶さわい」の名物クリームソーダをいただきました!

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過去の「オンデザイン論」はこちらから
#00 ○○からオンデザインを考える。
#01 シェアハウスから考える。
#02組織論から考える。

#03オノマトペから考える。