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オンデザイン論
#01 シェアハウスから考える。

text :hanako yashiro
photo:mayu kawakami

 

なぜ水谷基地を選んだの…?

濱本 矢代さんはインターン生の頃の3ヶ月間、いろいろなシェアハウスを見てきたと思うけど、なんで水谷基地を選んだの?

「オンデザインの知らないシェアハウスの世界」p.04よりシェアハウス紹介/3ヶ月で11のシェアハウスを見に行きました。

矢代 「シェアハウスに住みたい」と言いつつも、ひとりで過ごすのも好きだから、人の存在感がなんとなく感じられるところに住みたいっていうのはありました。
だから水谷基地のほどよい距離感はいいなと思ってました。実際に住んでみても、なんとなく音が聞こえるとか、スリッパがないとか、食器が片付いてるとか、そういうことから存在を感じられるのがちょうどいいんです。

「オンデザインの知らないシェアハウスの世界」p.26より水谷基地紹介

「オンデザインの知らないシェアハウスの世界」p.26より水谷基地

濱本 でも、人間関係として近い人(オンデザインのOB)とシェアすることに対しては抵抗はなかった?

矢代 抵抗はあまりなかったです。もし現役のスタッフがいらっしゃってたら、 また少し違ったのかもしれないですけど……。

濱本 インターンプログラムでは、「シェアハウスのコミュニティの中に自分が入る」という前提でやっていたと思うけど、逆に今、新しい住人がここ(水谷基地)に入りたいってなったらどう?

矢代 どうだろう……緊張感がリセットされそうだなと思います。1ヶ月経って、リビングをパジャマとかで歩けるようになったのが、またちゃんとした格好で出なきゃとか……。
でも今は、もう少し人が入ってきてくれたほうが生活も変わるだろうなって思っている部分もあるので、入ることでどう変わるのか、ちょっと楽しみでもあります!

渡邉 今は住人がふたりだから、すごく静かに暮らせてると思うけど、矢代さんの「理想ものさし」を見てると、ひとりのほうにちょっと触れてるよね。でも、水谷基地自体は賑やかな方に触れているから、意外とここに人が集まってきた時に、矢代さんの生活が少し変わりそうだなって思った。

矢代 確かに。人が増えたらもっと住人同士の距離は近くなりそうですね。
昨日もちょうど先輩がリビングで飲み会しますって連絡が入ってて……、何時に帰ろうかなって悩みました。結局飲み会が終わる頃に帰りました(笑)

濱本 めっちゃ気使ってるやん!(笑)

渡邉 でも、自然ですよね。
逆に他人に影響されながら暮らせることもちょっと楽しいのかなって思えるぐらいだったら、シェアに向いてる考え方なのかなって。

矢代 そういう意味で、もっとシェアを楽しまなきゃと思っています。

 

シェアの痕跡が残るシェアハウス

濱本 ギルドとか水谷基地ってシェアの痕跡が残るシェアハウスじゃないですか。前の住人の家具や、みんなで作った家具が置いてあったり、リビングにゲームが置いてあったり……。

矢代 部屋の壁が1面塗ってあるとか、千代田さんの忘れ物が出てきたりとか、住んでいた痕跡を感じながら住んでいます!

濱本 痕跡は僕的には残ってる方が楽しいなって思います。リセットされるシェアハウスが普通だとは思うんだけど……。そっちの方がなんか楽しくない?

渡邉 規模によって違いそうですね。人数が多いければ多いほど、リセットされやすいというのはあると思います。

 

自分の置かれた状況によってシェアへの考え方が変わる…?

濱本 いわゆるシェアハウスの話とは違う形だけど……、同棲する時に庭をシェアする集合住宅に引っ越そうかっていう話があって。自分の住まいは確立しつつ、共有部を広く捉えてシェアしているのは新しいし、畑を耕す暮らしも楽しそうだなって思って。
子どもがいたとしたら、畑が近くにあって身近に自然を感じれるっていうのは、プラスに働くだろうし環境によってそういうシェアハウスもありかなと。

矢代 世代によってシェアしたいものが変わりそうですね。
今、私は身ひとつでここに来て、この広いキッチンやリビングをシェアできるのがありがたいなと思っているけど、もう少し年齢が上がって、自分のものをある程度持つことができたら、プラスαでお庭とか、もっと広い共有部とかも考えられるようになるのかなと……。

渡邉 それで言うと私も興味があったからシェアハウスを選んだけど、最初は家具や家電を持っていませんでしたから。今はキッチンだけをシェアする、シェアキッチン付きのアパートに住んでいて、シェアする度合いも変化しているなっていうのは実感しています。
もともとは自分の暮らしを充実させたかったっていうのがあったけど、今は共有部を使って、シェアしてる同士で街に出て何かやるみたいな「共有の形」に興味をもちはじめています!

濱本 学生の時と社会人になってからではシェアハウスに対しての考え方が変わったなと思うし、年代なのか時代なのか……、時間軸で「シェアハウスのものさし」を作るのもありかも。

矢代 視野が世代によって変わるみたいな話は出たことがなかったですね。

渡邉 確かに、みんな単身者だったし。まだシェアハウスに関して研究したいことがいっぱいあるね。

矢代 そうですね! まだまだ奥が深いですね。

 

 

次回もお楽しみに!

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#00 ○○からオンデザインを考える。