トイレは、文化だ。
#04
トイレから見た
アジアとヨコハマ
トイレにまつわるさまざまな事象を多角的視点で掘り下げる、自称トイレハンターによる連載シリーズ。今回、お話をうかがうのは横浜界隈の公衆トイレに詳しい、ハッスル ホールディングス代表の小嶋 寛さん。仕事やプライベートで訪れたアジアでのユニークな体験談からお気に入りのトイレスポットまで、いろいろお聞きしました。
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小嶋さんがオススメする、
ヨコハマ“公衆トイレBest3”
弘明寺の公衆トイレ(神奈川県横浜市南区大岡)
僕は仕事で横浜市内の公衆トイレについて、いろいろ調べたことがあります。その時に、とくに好きになったのが弘明寺のトイレなんです。
建物の丸みを帯びたデザインが良いし、ステンドグラスのあしらいが横浜らしくて好きです。今はもう随分と古くなっているけど、昔はかなりハイカラだったんじゃないかな。
似たようなデザインが市内にいくつかあって、それぞれ番号が振られています。建物としてのデザインも、場所によって少しずつ変えられているんです。いろいろなトイレを見てみると面白いですよ。
阪東橋公園内の駿河橋公衆トイレ(神奈川県横浜市南区)
ここはなんと言っても水の流れ方が独特です。
「水は便器の中を流れるもの」という先入観を持っていくと驚きます。
個室の中に足場になる台があって、水を流したら床全体に流れていきます。迫力ありますよ。ごおおおおっという音を立てて勢いよく流れますから。床掃除がいらなそうで良いですよね。
山下町(中華街)の公衆トイレ「洗手亭1號」(神奈川県横浜市中区山下町)
横浜市には日本最大かつ東アジア最大の中華街があります。その中に加賀町警察署という警察署があって、北側の三角地に公衆トイレがあります。
このトイレ、じつに中華街らしいトイレなんです。
屋根の形や小窓など、様々な意匠に中国文化を感じるんですよね。今年(2019年)の3月末に内装の改修工事が終わったばかりなので、とてもきれいで機能的ですよ。
別の角度から見た洗手亭。白壁に朱塗りの柱で、さりげなく書かれた「洗手亭」の文字を見ないと、一見したところではトイレだとは分からないかも。雨を避けられるスペースもあり、近くにある緑の植栽帯が心地よいです。
瓦は中国製で、屋根のサイズにぴったり合う物を中国から探してきたらしいです。
花をデザインした特注の陶器の飾りで、中国庶民宅の雰囲気を醸し出すための工夫だそうです。
前回の特集で出てきた標準ピクトグラム。最新の機能と、伝統的な様式が組み合わさったトイレです。
ちなみに朝陽門の側にあるインフォメーションセンター「China Town (チャイナタウン)80」に、付帯施設として公衆トイレ「第二洗手亭」(神奈川県横浜市中区山下町80番地 横濱ディアタワー1階)があります。来街者が多く立ち寄る場所なので、バリアフリーのトイレが設けられています。