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ヨコハマアパートメント
暮らしのpost-it
#03
棚はむずかしいぐらいがちょうどいい

edit&text:hanako yashiro
photo:ondesign
Koichi Torimura

暮らしの中で気づいたことをpost-itに記録するように、ヨコハマアパートメントの小さな魅力を覚えておくための小さな連載。2人の住人が撮影する写真から、シェアハウス好きの私が竣工から15年経ったヨコハマアパートメントの今をお届け! 小さな魅力が大きな魅力になって、いつか、ヨコハマアパートメントで、「暮らしの魅力展」を開催することが目標です。



#03「棚はむずかしいぐらいがちょうどいい」

ヨコハマアパートメントの住戸に入って、最初に目につくのは白い壁に浮かび上がる3本の茶色いライン。

        (竣工当時の3号室/撮影:鳥村鋼一)

細長い3段の棚である。部屋ごとの長さは違うけど、どの部屋にもこの棚があって、下の段に小さな洗面台がついている。まな板や食器が並んで小さなキッチンになるのか、それとも洗面用具が並ぶのか。どんなふうに使うのか、ずっと気になっていたヨコハマアパートメントの棚。

棚というと、コレクションしているお気に入りを並べたり、マイブームな小物を飾ったり、部屋の中でも特に個性が出せるスペース。だけど、この棚の使い方はむずかしいらしい。
さて、2人はどんな使い方をしているんだろう。

 

 

2人とも棚への試行錯誤があったみたい。部屋の中の唯一の収納だから、ただ飾るだけという訳にはいかないのだ。個性を出しつつ、でも生活に必要なものを必要な場所に。玄関が近い3号室では玄関まわりの小物、部屋の中心にある4号室ではキッチン用品。棚の位置で使い方が変わる。

飾り方や飾るものの色味が棚に影響を受けているのも、この部屋に住むことを楽しむ秘訣かもしれない。自分の趣味を全開にするだけじゃなくて、この3段の棚に何を飾るか。ちょっぴり刺激的な暮らしには、棚はむずかしいくらいがちょうどいい。

小さな編集後記
4号室の棚は1段少ないんだとか。よくよく探すと、階段の踊り場にある倉庫の中に入っていたらしい。前に住んでいた誰かが棚を外したみたい。そんな状況も丸ごと住み繋いでいるのがヨコハマアパートメントの生活と、垣間見えた瞬間だった。

information

photo:kouichi torimura

ヨコハマアパートメント/yokohama apartment

アートと暮らし、アートで集い、豊かさを生む暮らし
2009 年に建てられたヨコハマアパートメントは、アートに携わる活動へ の支援を軸とし、アーティストやアートが好きな人、興味がある人が様々 な発表、発信、交流を行う場です。また、地域の方々や住民の発信の交流 も行われ、住民たち自らの手で企画・運営されています。この場所を卒業 した元住民や関係者が長く関わり続けることでコミュニティが形成され、 人と人の繋がりの中にヨコハマアパートメントは生き続けています。

profile
矢代花子/hanako yashiro

東京都出身。東京造形大学卒。2022年よりオンデザイン、同年beyond architecture編集部に参加。BAでは「オンザイン論」「ZINE企画」記事などを担当。2023年度ヨコハマアパートメントの運営を担当し、映画上映会や家具の修繕イベント等を企画。運営担当は引き継いだが、ヨコハマアパートメントから離れられずにいる。
主な設計作品:オンデザインイッカイ、YASUULAB

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