竣工している建物の模型展示について自分なりの答えを出した、みやのくん。
本展示会では、ブルースタジオさんも同じテーマで参加しています。そこでみやのくんは、ブルースタジオの小林さんと水越さんに直接お話しを聞くことに!
(左から)ブルースタジオの小林さん、水越さん
ブルースタジオさんが今回、建築倉庫ミュージアムに出展するにあたって気を付けたことは何ですか?
建物と敷地が代々木公園という中に建っているので、模型では、その敷地との境目というのをどのように表現していくか、ということですかね。
本当は敷地境界があるんですけど、あえて表現しませんでした。実際には柵などが入っていて、「こども園」なので流石にだれでもガンガン入っていけるわけではありません。
模型上で表現するところとしないところはとても意識しました。今回は外構をグレーで、建物を白で表現していますが、境界部分をグレーと白を重ね合わせることで、敷地境界を意識させないようなつくりにしています。
模型ってどこを抽象化したり省略化したのか、その選択した結果から生まれるもの。
ブルースタジオさんの作品は彩度を省略しているじゃないですか? そうすることで敷地に馴染ませつつも建築をポッと浮かび上がらせるようにしていますよね。
とくに今回は木材だけに色をつけています。建物の形を決める際も、代々木公園はもともと農村だったこともあり、農家を覆う大屋根のイメージで、木造でつくったという設計過程があります。それをしっかり模型で表現するために、木材のところは木材の色をつけて、あとはグレーを用いて模型をつくっていきました。
模型はやっぱり抽象化できるところがいい、と思います。普段はあまり抽象化はしないし、テクスチャもしっかりつけるのですが、今回だけはこども園がまちにひらいているということを強調するために柵を省略したりだとか、公園部分を大きく入れたりしています。建築模型って一般的には建物にフィーチャーするじゃないですか。そういうのも今回はやめました。
実際のこの建物では、下屋の部分が土間になっていて、コミュニティスペースになっている場所です。建物のセキュリティラインが大きなボリュームの方でとられているので、下屋の部分は柵の外側なんですよね。
はい、土間がひらかれていて、地域の人が入っていける。「まちのこども園」は、レッジョ・エミリア教育というイタリア発祥の幼児教育の国際ネットワークに加入していて、同じ理念を持っています。
特徴は「まちぐるみの保育」という地域と一緒に子育てをしていこうというもので、「まちとの接点」がすべての園に設けられています。例えば、保育園の中にカフェが併設されていたり、代々木公園の場合は土間があります。こういった、こども園の理念を今回の模型にも反映しました。