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往復書簡2
#03
子ども部屋狭小計画、
只今思案中!?

text & photo : rie yanai

自邸の竣工から一年が経過し、実生活の中で、さまざまな気付きや課題に直面中の萬玉さんと梁井さん。今回は、梁井さんから萬玉さんへのお手紙です。

これまでの往復書簡はこちらよりご覧いただけます。

萬玉さん(左)と梁井さん(右)。梁井さんの自邸「小さな家」にて。(photo: akemi kurosaka)


yanai>>  mangyoku 📨 

 

まんちゃんへ

こんにちは。

今年の秋はいつまでも暑かったですねー。庭の落葉は始まりましたが、うちの子はまだプールしたいと言っている季節感の無い今日この頃です。

お手紙ありがとうございます。

昨年の往復書簡が終わってから一抹の寂しさを感じていましたが、こうしてお手紙が始まるとウキウキしますね。

家族が同じ場所でそれぞれのことができるっていいですよね。安心感もある。

写真でも多様に使っているのがすごく魅力的で、むしろおもちゃが散らかっている様子すら素敵に見えます。

きっとこれから家族も成長して、時間の使い方も変わっていくでしょうから、それに伴って場所がどのように変わるかも楽しみですね。

小上がりができたら最高! 籠っているような場所、私も好きです。できたら遊びに行きたいな!

我が家も子どもがタケノコのように成長をしていて、最近はサイズ的にも大きくなってきたなーという感じです。

「子どもは大きくなったら出ていくんだし、狭い家で十分!」とか啖呵を切っておきながら、すでに狭さを感じています(笑)。

狭い玄関。靴を片付ける習慣ができたが、息子の靴が大きくなることを想像すると怖い

窓際のカウンターは景色も良くて特等席。奥行き400mm

娘が今年小学校にあがったのですが、急激に娘所有のものが増えています(というか現在進行形で増量中……)。

窓際で兄弟並んで勉強する……というキラキラした理想を思い描いてカウンターをつくったのだけれど、こんな奥行きの机じゃ話にならないですね。小学生の生活、なめていました。

子ども室になる予定の2階

今は学習机をちゃんと配備して、机の周りにポスター貼ったり、小物飾ったりと娘がカスタマイズしています(これが現実か!)。

勉強するにしても寝るにしても家族がいるところじゃないとダメのようですが、そのうち個室とか欲しいんだろうなあと思い、2階のこの場所は2つに仕切るつもりでした。当時の設計図にも将来設置予定の壁が点線で示されています。

でも、こうして1年半使ってみると、ずーーーーっとここにいるんですよね(笑)。

まんちゃんがおっしゃるように、うちもこの場所にいるとそれぞれ目が届きながらも好きなことができる。だから居心地いいんです。冬はあったかいし、テレビもあるしね!

子ども部屋をつくるのにこの場所がなくなってしまうのは本当に惜しい。。

それで最近考えているのは、子ども部屋狭小計画。

設計時に考えていた間仕切り

今考えている間仕切り(Illustration:rie yanai)

子ども部屋をもともと考えていたよりも半分くらいに抑えて、あとは今のスペースを残そうという作戦です。

残るスペースは小さくなるけど、机やソファ、本を置いて家族の書斎として使うのはどうかと。居心地の良い場所になりそうなのは、今の生活が立証してくれていますので、あとは資金的なことかな(笑)。

「余白のあり方を暮らしながら学んでいる」とお手紙にもありましたが、まさしくそうですよね。

私も「この家」からつねに学んでいます。環境的なことも含めて、体が自然に良い場所を求めているというのに近いかもしれません。

たまに設計をさせてただいた住宅にお邪魔することがあるのですが、「こんな使い方をされているんだ!」とびっくりすることがよくあります。

設計者も予想がつかないような使い方をされていると、ここまで想像に及ばなかった自分の未熟さを感じる一方で、「暮らしが空間に影響を与えることってあるんだな」と住宅の無限の可能性も感じます。

自分の家ですら想像だにしないことが起きていますから、人のお宅では尚更なのかもしれません。

まんちゃんの家では、設計時に想像していなかった使い方はありますか??

ではではー。

梁井理恵

 

次回は、12月上旬の投函予定です。 📪

梁井さん自邸<小さな家>の竣工写真はこちらよりご覧いただけます。

profile
梁井理恵 rie yanai

1983年生まれ。神奈川県出身。2002年、恵泉女学園高等学校卒業。2009年、首都大学東京修了。同年、オンデザイン所属。これまで、「FIKA」「軒下と小屋裏の家」などを担当。