Our Eyes
#01
多角的アングルで巡る
名作住宅「加地邸」
⑤ 居間
外のスケールとして使いがちな石を、形を崩したり細工を行いながらヒューマンスケールにまで落とし込んでいる暖炉はとても大切にしたくなる丁重な設計が行われていると感じました。(秋元 )
掃除がしやすいように設計された幅木。光るまで磨かれた木を見て、この住宅が現代まで住まい手に大切に住みこなされてきたことを感じました。(鈴江)
部屋の所々に現れる幾何学のデザインは、光や風の入り方、視線の抜け方とともにつくられていて、家族や来客者がゆっくりくつろぐ中での空間の心地よいアクセントとして存在していました。(鶴田)
金と銀のハイブリッドによるデザインが照明器具にまで配されている徹底ぶり。上からも下からも見応えがありました。(西田 )
⑪・⑲ ギャラリー
ギャラリーからの吹き抜けを介して見下ろす居間の景色。ファイアープレイス前の応接間はステージかつ家の重心であり、主として寛げる一方、客としての全体を俯瞰できるオルタナティブな客席がこのギャラリーである。ここは加地邸の両面性に接することができる場所だと感じました。(黒崎さん )
ついつい安全性に配慮して高く設計してしまう手摺ですが、厚みを持たせることで低くても安心感が生まれること、またそのことにより隣り合った空間につながりが生まれることを感じました。(鈴江)
敷地に沿ったスキップフロアの構成も素晴らしかったのですが、民芸品のような細部の細工が部屋全体を縁取ることで、輪郭がくっきりと見えているように感じました。(澤井)