ゲンバカンズ
#06
私たちの
新たな挑戦
完成したミサキドーナツに訪れてみると
CIAL横浜店と星川qlay店を振り返ってみて
佐野 2店舗に行ってみた感想なんだけど、素材感や人肌が触れる部分へのこだわりが共通しているね。そのなかでも、星天qlayのお店は壁と天井に抜けの空間をつくっているから、外からの光が客席まで入り込んでいて心地いいね。これは狙ってやったの?
中村 そうなの。でも大変だったんだよ。天井まで壁がないと(壁が)自立しないし、かと言って、天井まで壁を立ち上げてしまうと閉塞感が出るからどこまで(壁を)削れるかを現場監督と相談しながら進めました。
佐野 逆に横浜のお店はインスタントな印象だったな。建築というよりドーナツに目がいくというか……。
濱本 ドーナツを目立たせることを意識して設計をしているからそう言ってもらえるとうれしいな。横浜店での主役はあくまでディスプレイされたドーナツだから、カウンターはドーナツの背景となるように徹したんだよね。
千代田 私もカウンターは気になったかな。両店舗ともカウンターの操作で視線の誘導をしているように感じたよ。
星天qlay店は床までカウンターが降りてることで、カウンター自体に目が行くけど横浜店は(カウンターが)少し浮いてることでドーナツに目が行く。
濱本 両店舗ともドーナツという特徴的なデザインをモチーフに考えているけど、目指す先が違っていることがカウンターにあらわれているよね。
中村 私はこれまでも居場所づくり(場所の設計)を何度も経験してきたけど、店舗の設計ははじめてだったの。だから商品の見せ方については学びがあったし、同じテナントでもカウンターひとつで見え方が変わるのは興味深かったです。それもこれもゲンバカンズでふたつの店舗設計に携われたからこそ、ですね。
次の“ゲンバ”もお楽しみに!
ゲンバカンズ
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profile |
中村 遥 haruka nakamura1993年神奈川県生まれ。横浜在住歴27年。2018年東京理科大学大学院卒業。横浜を舞台に社会実験や場づくりWSなどまちに入り込む活動をしながら、グラフィックデザイン、小さな什器〜土木スケールの設計など様々なレイヤーを行き来して活動している。主な仕事は、公共空間活用実験「みっけるみなぶん2」、「大通り公園に、よりみちしよう。」(2021-2022)、「関内えきちか広場活用」、広報誌「かんない、いかない?」、「花咲くRally」(グラフィックデザイン)など。 |
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濱本真之 masashi hamamoto1992年兵庫県生まれ。2018年近畿大学大学院 工学部卒業後、同年オンデザイン。2020年ROOVICEに出向。家具から住宅スケールまで、暮らしに身近な建築を手がける。DIYや現場での設計による「まちに現場を開く」に取り組む。主な作品:「ヘイトアシュベリー」「みやがわエンゼルパーラー」が挙げられる。「BEYOND ARCHITECTURE」編集スタッフとしても活動中。ゲンバカンズのリーダー。 |
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