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Stadium×Science
#01
社会が求める
スタジアム像を考える

text and photo : akihiro tani

スタジアムは、都市において、どんな存在になり得るのだろうか?
どんな役割を果たすことができ、そのために必要な要素は何なのだろう?
都市を「科学」するアーバン・サイエンス・ラボの連載第1弾。
そんな「問い」から、「スタジアム」がある都市を分析することにした。

 

オンデザインからほど近い横浜スタジアムと周辺の街並み=google earthより

 
スタジアムが都市において果たす役割は?

 「コミュニティ・ボールパーク」、あるいは「スポーツタウン構想」という言葉が、各地から聞こえてくる。
 スタジアムに、「野球をやるため・見るための場所」以上の役割が期待されているのだ。
 それは、スタジアムの新設や改修に関わる設計だけでなく、イベントのアイデアや運営、周辺のまちづくりまで含めた、分野横断的な設計が求められていることを意味する。

 だから、スタジアム建築の詳細よりむしろ、その外側に広がる都市との関係性まで視野を広げて分析してみたい。

 スタジアムは、都市において、どんな役割を果たすのだろうか?

 手始めに、既にWeb上にある情報を、体系的に整理した。

 スポーツ庁と経済産業省による「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック」をはじめ、かなりの情報量があった。
 スポーツだけでなく、ビジネスや地域創生の観点から、スタジアムの構造や、設計時の工夫、狙いなどをまとめた記事もあった。

スタジアムと都市に関する情報を集める

 取り上げられているスタジアムはどれも個性的で、いろいろな特徴がある。
 けれど、都市における「役割」という観点で見ていくと、いくつかの共通点を持っているように思えた。

 たとえば「寝転がって見るシート」や「パーティー向けのボックスシート」「イニング間の多彩な演出」が果たす役割は、「野球の楽しみ方を多様化する」だ。
 名物の飲食物を生み出したり、新規ビジネスの実験場になったりするなど、「産業創出」に一役買っているケースもある。
 ほかにも、「スポーツ以外の活用創出」「地域の課題解決」など、いくつかの役割が見えてきた。野球場だけでなく、サッカー向けのスタジアムや、屋内競技用のアリーナが参考になる部分も多かった。

 表をつくり、行に「スタジアム名」、列に「役割」を入れて整理すると、あることに気付いた。

いろいろな資料にあった情報を、体系的に整理する

 
求められているスタジアム像を「見える化」

 「野球の楽しみを多様化させる」や「スポーツ以外の活用」などに関する情報量に比べ、「まちづくりへの波及」「産業創出」などの項目では、具体例の記述が少ない。
 物理的、あるいは分野的な距離が、主目的であるスポーツを「やる・見る」から離れているからだろうか。
 ただ、構想や理想像としての描写は少なからずある。

 それらを含め、社会から求められているスタジアム像を、絵に描くことにした。
 
 情報を「言語化」「体系化」してさらに、分かりやすく「見える化」する。

 それが、今あるスタジアムを拠点に始める新たな取り組みや、次の「スタジアムがある都市」の参考になればいいと思う。

「都市を科学する」スタジアム編は、今後隔週で公開予定です。お楽しみに!


【参考・関連サイト】
スタジアム・アリーナ改革ガイドブック
・アーバン・サイエンス・ラボについての詳細はこちらより