Our Eyes
#01
多角的アングルで巡る
名作住宅「加地邸」
⑬ 中2階踊り場
2階へのアプローチ階段の先に現れる広めの中2階の踊り場からは、階下の様子、2階展望室越しの山並みや相模湾の景色、書斎や主寝室の気配、最上階夫人室までをぐるりと見渡せる、さながら司令塔室のような空間。加地邸の居間が表の重心だとすれば、ここは裏の重心といえるのではないか。(黒崎さん )
⑯ 2階書斎
机と窓、暖炉、壁の窪みまで、明暗差と配置のバランスがとても居心地良く感じました。椅子に座って何か作業をしつつ背中には暖炉の暖かさを感じる光景が想像できました。(秋元)
普段座っているイスよりも少し低いイス。そのイスに座っているとすごく落ち着く感じがしました。暖炉の火に自然と近い距離で座れて暖炉の前にずっといたくなりました。(櫻井 )
⑰ 展望室
一段上がって景色を見渡す展望室。段差による操作が多様な居場所の個性を強調しているように感じました。(伊藤)
㉒ 食堂
ダイニングルームの先にある、三方を網戸で囲われた半外部スペース。内部空間と地続きに設えられながらも、三方の網戸から風が通り抜けとても居心地のよい居場所となっていました。 網戸を居心地をつくるひとつの手法として解釈する日本人ならではの意識が、懐かしくも新しい感覚を受けました。(森)
その他の空間
照明は、細かな模様がほどこされた木板や金属板と電球が多様に組み合わされ、家具とその場所での過ごし方と丁寧に関係をもちながら各部屋に配置されていました。ほっとさせながらも過ごした時間が心に残るような居場所が生み出され、家族や来客者へのおもてなしの心が設計に込められているようでした。(鶴田)
斜面地に建つ加地邸は、まるで周辺の高低差の構成が建築の内部空間まで地続きに展開しているようにも感じられます。あらゆる高さに居場所が展開しており、それらが地続きにつながりつつも外部空間やリビングに対して意識が流れていくので、体感としての広がりを感じます。(森)
内覧を終えると、加地邸前で一同記念撮影。名建築をバックに身の引き締まる思いのスタッフたち。