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Housing Story
#07
造作家具が叶えた
心地よい暮らし

text:naoko arai  photo:akemi kurosaka

 

オンデザインの探訪後記

数年ぶりにお邪魔しましたが、完成当時からほとんど変わっていなくて驚きました。お子さんも生まれたので収納家具やモノがもっと増えていると思っていたのですが、当時の印象のままでうれしかったです。

Iさんのお話のように、こちらの事例は建売会社で建物を建てて内装をオンデザインで設計するという、当時でも非常に珍しいケースでした。僕も初めての経験でしたが、設計事務所がふだん携わるものとはまた違ったアプローチでひとつの住まいを考えるいい経験になりました。

また、Iさんの将来の住まいの夢を伺い、建築家の建てた家の流通についても改めて考えさせられました。住まいは何十年と使うものですから、否が応でも次代のことを考えざるを得ない。身内で受け継げるケースばかりではないですし、逆に、新築時にオンデザインには頼めなかったけれども西田さんの設計した家に住みたいという方もいるかもしれない。母数は少なくともそういった互いのニーズをくみ取り、価値がわかる人にうまく引き継げる仕組みを考えたいと思いました。(原﨑寛明)

DATA
竣工:2010年11月
設計:西田 司(オンデザイン)+原﨑寛明(元・オンデザイン、現在、Hi architecture代表)
敷地面積:108.00㎡
建築面積:52.99㎡
延床面積:122.13㎡
施工:E&Y(家具工事)、建築工房OZAWA(内装工事)
構造:木造枠組工法2階建て
竣工時の写真はこちらよりご覧いただけます。