Housing Story
#05
10年後も
飽きない居心地
オンデザインの探訪後記 |
竣工以来ですから、約10年ぶりでしょうか。久しぶりに訪ねてみて、家具が入る前にどのような暮らしを営まれるのか想像がついていなかった竣工当時のことを思い出しました。 そのことが思い出されたのも、“こうやって暮らすんだ!”という大きな納得感があったから。竣工時は小さかったお子様も大きくなり、それぞれに空間を使いこなしているという印象を受けました。もちろん一緒に住んでいる猫たちも! 少し削れた木の角で見つけ、楽しんで暮らしているのだなあとうれしい気持ちになりました。思っていた以上に猫たちが空間のあちこちを活用しているのは正直、私たち人間の想像を超えていました。これこそまさに、設計のおもしろさでもあります。 この連載で、久しぶりに家を訪ねるたびに感じることは、「こうかな?」と想像をめぐらせたこと以上に空間を使いこなしている方ばかりであること。設計者としては何とも幸せな心地よさを感じると同時に、住まう人たちの愛着を肌で感じることが設計者にとっては一番のモチベーションになります。 |
DATA
竣工:2009年4月
設計:西田 司+後藤典子(元所員)
敷地面積:61.02㎡
建築面積:36.53㎡
延床面積:70.05㎡
施工:栄港建設
構造:ASD
竣工時の写真はこちらよりご覧いただけます。