Workshop Report
つくって、見て、話す
模型づくりタイケン
模型づくりという共通言語
模型づくりは、「つくって」「見て」「話す」という3つの体験から成っているのではないでしょうか。
「つくる」: アイデアを、頭の中から直接形にするアウトプット。※もちろん上手いか下手かは重要ではない。
「見る」: できあがった模型を客観的に分析するインプット。
「話す」: 他人のアイデアを主観的に面白がり、自分のアイデアに更なる客観性を取り入れる対話。
模型づくりをまちに開くということ。それは建築的な言語を持たない人々と協働してモノづくりを行うこと。
素直な体験の連続である模型づくりは、誰もが持っている感性を呼び起こす共通言語になります。
残念ながら今回のワークショップでは、つくったものを発表し合う時間を十分に確保できませんでした。
しかし一方で、
「僕の模型、地面掘ってトンネルをつくったから、君のも掘ってつなげてよ」
「いいよ、じゃあ木の上もはしごでつなげてみよう」
彼らが自然に、お互いの模型を見てコミュニケーションをとりながら制作を進めている姿は、図工室のあちこちで見られました。
自分の模型が他のだれかの模型に接するということが、対話の機会を誘発したのかもしれません。
その様子から、「模型づくり」はつくるだけではなく、それを用いて「話す」ところまでがセットであり、改めて「模型」はコミュニケーションツールであると思わされます。
今回のワークショップのテーマは「にじ色の森」。それぞれがつくった模型を大きなフォーマットの上に並べるのではなく、パズルのように各自の模型を組み合わせていくものでした。
だれかの模型から影響をうける、自分の模型がだれかに影響する。他者との辻褄合わせのような試行錯誤によって、全員でひとつの物をつくりあげていく意識が育まれていきます。
ワークショップ終了後、合体させた部分をだれが持ち帰るのか相談する姿を見て、また新たな「模型での対話」のあり方に気付かされました。
オンデザインの恒例プロジェクトとなった模型づくりワークショップ。これまでもまちの人たちと多くの気づきを共有してきました。スタッフも全力で楽しみながら、柔軟で斬新なアイデアとむき合うことで、たくさんの気づきをもらっています。
このワークショップの効果は、モノづくりの楽しさを伝えることにとどまらず、自分たちの取り組みを客観的に見る大切な機会でもあるのかもしれません。これからも、子どもたちやまちの人とイメージやアイデアを分かち合うことで、アイデアや興味の発見の場となるように活動を続けて行きたいと思います。
これからもオンデザインの模型づくりワークショップにご期待ください!
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Profile
模型づくりWSチーム(矢口西小サマーチャレンジ2023)〜
鶴田爽:1992年、兵庫県生まれ。2016年京都大学大学院修了。同年オンデザイン入社。
中村遥:1993年、神奈川県生まれ。2018年東京理科大学大学院修了。同年オンデザイン入社。
大川珠瑞希:1998年、千葉県生まれ。2022年明治大学院修了。同年、オンデザイン入社。
安原樹:1998年、東京都生まれ。2023年芝浦工業大学院修了。同年、オンデザイン入社。