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都市科学概論
#02
大小の「都市」から
法則を見い出す

 

科学する対象である「都市」を
アーバン・サイエンス・ラボは
どう位置づけるのか。
都市科学概論の第2回は
都市そのものの規模感や
見る視点、解像度などを
確認してみたい。

 

対象の「都市」は規模にこだわらず

「科学する」が、第1回で整理したように「さぐる・分かる」行為だとして。

その対象となる「都市」を、どう定義するのか。

 

都市という言葉から一般的に思い浮かぶのは、東京や大阪のような、それなりの規模感がある街かもしれない。

小さな「村落」は、都市の対義語として挙げられることもある。

 

でも、今回の「都市を科学する」の連載では、人が集まり、関わり合って生活し、政治や産業、経済、文化などがあるところを、広く「都市」として扱いたい。

その規模にはこだわらずに、「科学する」対象にするのだ。

 

なぜなら、なるべく普遍的な法則を見出したいからだ。

 

普遍性がある考え方を見つけたい

マンションが立ち並び、地下鉄が走り、企業が入った高層ビルが並ぶ大都市。

平家が点在し、軽トラックが走り回り、田んぼや畑が広がった農村。

景色は対照的でも、居住地と、移動手段と、生産活動の場がある、という意味では共通している。

そして、その大都市と農村の間に共通するものを見つけることができれば、それは普遍性のある法則や考え方だと言えるのではないだろうか。

 

科学する対象としての「都市」を広げることで、具体性は下がるかも知れないが、抽象度や一般性が高い発見が増えることを期待している。

離島や中山間地域の営みから、大きな都市が学ぶことだってきっとあるはずなのだ。

 

視点は「ビヨンド・アーキテクチャー」

さて、大小さまざまな都市を、どのくらいの解像度で「科学する」か。

解像度は、ミクロ視点とマクロ視点を、どう行き来するのか、と言い換えても良い。

 

ビヨンド・アーキテクチャーは、主に建築を手がける設計事務所「オンデザイン」のオウンド・メディア。

視点や解像度は、建築家が持っているものがベースになる。

 

でも、だからといって建築だけにフォーカスするのではない。

スタジアムや小屋など、建築をはじめとするテーマを設定し、その建築があることで都市が「どうなっている」のかを紐解いていく。

建築をズームアップして詳細を見るよりむしろ、まずは“広角レンズ”で、設定したテーマを真ん中に据えて都市を眺めるような感覚だ。

 

建築の視点から、都市にフォーカスして「科学する」。

それによって、職域をコミュニティから働き方にまで広げている建築家の思考法を、広く共有していきたいと考えている。

(了)
<文、資料:谷明洋>

※次回は「都市を科学する」具体的な方法論を考えます。

 

【関連サイト】
都市(とし)とは – コトバンク

 

「都市を科学する」は、横浜市の建築設計事務所「オンデザイン」内にある「アーバン・サイエンス・ラボ」によるWeb連載記事です。テーマごとに、事例を集め、意味付け、体系化、見える化していきます。
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