【2025年度グッドデザイン賞受賞】
オンデザインが手掛けた
4つのプロジェクトが選ばれました!
自社オフィスでの取り組み「オンデザインイッカイ」と、オンデザインが手掛けた、3つのプロジェクト「星天qlay」、「WELL-BEING TOWNゆめが丘」、「SLOW ART CENTER NAGOYA」が、2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。
受賞に際して、プロジェクトにご協力いただいた多くのパートナーのみなさまや、日々ご利用いただいているお客さまに感謝いたします。
今回、受賞しましたプロジェクトを以下に掲載しましたので、是非ご覧いただけますと幸いです。
オフィスをひらく20のレシピと実践
[オンデザインイッカイ]
(コミュニティづくりの取り組み・活動 部門)
設計事務所が実践する「オフィスをまちにひらくための20のレシピ」。平日の通常業務と共存しながら、夕方や週末は社員の趣味や地域活動にイッカイを開放することで、通りに面したオフィスがまちの新たな居場所へと変化している。2年半の取り組みで地域からオープンスペースとして認知され、まちにひらかれた公共の場として機能し始めている。
オンデザインイッカイ作品ページ
https://www.ondesign.co.jp/works/article.html?v=ozah2r39tid
評価コメント
通りに対して閉じがちな「オフィス」というプログラムを、設計事務所が自ら就業外の余白を地域にひらき、オフィスを“通り沿いの広場”へ転換する一連の実験プロジェクト。社員ひとりひとりの「やってみたい」が他のメンバーや別の場所でも展開可能なカタチで、空間・運用・ルールとして共有化されている。個人がまちに関わるということを通じて、公共性と働く場の価値を同時に更新しようとする意欲的な取り組みである。
高架下空間の複合施設
[星天qlay]
(ランドスケープ、土木・構造物 部門)
横浜の中心部と郊外をつなぐ相模鉄道本線の連続立体交差事業により生まれた1.4kmの高架下空間をまちの新たな余白ととらえた開発デザインである。エリアのまちづくりの起爆剤となるようなブランディング、コンテンツ、環境計画、建築設計、ランドスケープなどの各分野を横断したデザインにより人の活動や暮らしの軸を地域に編み込んだ。
星天qlayホームページ
https://www.hoshiten-qlay.com/
評価コメント
高架下空間の活用は、これまでの発想では駅近で利便性の高い部分を商業利用するケースが多いが、この取り組みは、鉄道用地という”細く長い”という特性を活かし、その周辺に広がるまちへの波及を目標として、1.4kmもの区間をゾーンごとの地域課題や土地利用に合わせて開発していることが特徴だ。単に事業者の利益獲得だけでなく、地域の豊かな暮らしの実現を目指し、民間投資を行っていることに共感する。鉄道用地や道路、河川といった都市におけるリニアな形状を持ったアセットの整備や利活用が、面的なエリアの価値向上に大きく貢献できることを示す優れた事例である。
地域資源を活かし循環型社会を啓蒙する開発
[WELL-BEING TOWN ゆめが丘]
(一般向け取り組み・活動 部門)
横浜市郊外における土地区画整備後の開発。農業が盛んで自然豊かな周辺環境を、暮らしの中に積極的に取り込み、かつ環境に配慮した各種サステナブルな取り組みと組み合わせ、この土地のライフスタイルとしてデザインし実践。人中心だった開発行為に対し、元ある地域資源の価値を昇華させ新たな循環の形を生み出すあり方を提案した。
ゆめが丘のミライ
ttps://www.sotetsu.co.jp/future/yumegaoka/
ゆめが丘ソラトス
https://www.yumegaoka-soratos.com/
ゆめが丘の住まい
https://www.sotetsufudosan.co.jp/machi/yumegaoka/
評価コメント
開発の大きなスケールを活かしながら、地域の中で積み重なる小さな協働を基盤としている点に、本取り組みの独自性がある。横浜郊外の豊かな自然を背景に、農や自然といった地域資源を暮らしに取り込み、循環の仕組みを築くことで、来訪者や住民が日常的に地域とつながる機会を生み出している。これまで利便性や経済性を優先してきた開発とは異なり、今ある地域の豊かさを生活の中心に据え、人と自然の新しい関係を描こうとする姿勢が評価される。また、駅前の商業施設を核に、再生可能エネルギーや資源循環の仕組みを組み合わせ、地域全体の環境価値を高めている点も意義深い。さらに、事業者が中心となってエリアマネジメント協議会を立ち上げ、多様な主体と連携しながら活動を継続していることも強みである。農地や施設を拠点に食育や循環型の仕組みを展開し、ハードとソフトを一体的に運営することで、持続可能なまちづくりを支える体制が整えられている。
解体移設可能なリユース建築
[SLOW ART CENTER NAGOYA]
(公共空間/土木/景観 部門)
都市開発で生じる開発用空地によって途切れてしまう土地の文化や営みを、駐車場や仮設建築でもない解体移設可能な「リユース建築」と「スローアート」というプログラムにより、未来へ継承することを試みるプロジェクト。5年間の暫定期間後は、規模や形態を変えながら都市の空地をノマドし、新たな都市の新陳代謝を生み出す。
SLOW ART CENTER NAGOYAホームページ
https://sac.nagoya
評価コメント
5〜10年程度の中期利用を想定し解体/再構築が可能なリユース建築によって、都市開発に伴う空地期間中もスローアートで土地の文化や営みを継承していこうとするプロジェクト。一時的な本設という考え方がユニークである。都市の暫定空地の利活用の事例は増えてきているが、そこに対する新たな建築(構法)とプログラムのセットでの提案により、可能性が広がるのは歓迎すべきことである。名古屋での取り組みを通して、リユース建築のさらなる可能性が見出されることを期待したい。
2025年度は11月1日〜5日に、すべてのグッドデザイン賞受賞対象を展示する、グッドデザイン賞受賞展「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」がTokyo Midtownにて開催されます。グッドデザイン賞を受賞した商品、建築、アプリケーション、プロジェクト、サービスなど、1,500点を超える「グッドデザイン」が集結します。お近くにお立ち寄りの際は是非お越しください。
<グッドデザイン賞とは>
グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。