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小屋×都市
#01
どんな小屋が
なぜ、欲しい?

あなたは「小屋が欲しい」と思ったことがあるだろうか?
「都市を科学する」の連載第2弾は「小屋」。
「住」の視点から新たな豊かさを発信するメディア「YADOKARI」と共同で、
「タイニーハウス」や「屋台」なども含めた「小さな居場所」を整理し、
人や社会が「暮らし」や「都市」に何を求めているのかを考えてみたい。

どんな小屋が、なぜ 欲しい?

あなたは「小屋が欲しい」と思ったことがあるだろうか?

それは、なぜだろう?
何のために建てたいのか、何のために手に入れたいのか?
そして、それを実現するのはどんな小屋だろう?

小屋は小さくて、たくさんの目的を同時に果たすことが難しい。
だからこそ、「何のため」に欲しいのかが、見えやすいのではないだろうか。

アップデートされる小屋

ひと昔前には、山小屋や農作業小屋などが小屋の代表格だった。
明確な目的や必要性と、立地や資材などの制約が、そこにはあった。

最近は、
広い土地があるのに敢えて小屋で生活したり、
何かの楽しみのために小屋を新たにつくったり、
都市部の真ん中に小屋が集まったり、と、
小屋をもっと積極的に選択する人が増えている。

デザインから意味合いや使われ方まで、小屋がアップデートされているように感じる。
そこには、どんなモチベーションや背景があるのだろう?

鉄道の高架下スペースに、タイニーハウスを並べた複合施設「Tinys Yokohama Hinodecho」

「好きなことに没頭したい」
「みんなで楽しめる場がほしい」
「そこに、ちょうどよいスペースがあったから」
「家とともに旅をしながら暮らしたい」

いろいろな思いがあるだろう。

(写真:相馬由季)

「タイニーハウス」「スモールハウス」という言葉で語られることもある。
「トレーラーハウス」「コンテナ」などが、小屋のように使われることもある。

小さな居場所を切り口に、都市を見る

そんないろいろな「小屋」というか、小屋に代表される「ちいさな居場所」を、目的ごとに分類・整理してみたい。

現代社会を生きる私たちが、「建物」や「暮らし」そして「都市」に何を求めているのか、見えてくるかもしれない。
(了)

 

「都市を科学する」の「小屋編」は、横浜市の建築設計事務所「オンデザイン」内で都市を科学する「アーバン・サイエンス・ラボ」と、「住」の視点から新たな豊かさを考え、実践し、発信するメディア「YADOKARI」の共同企画です。下記の4人で調査、研究、連載いたします。

谷 明洋(Akihiro Tani)
アーバン・サイエンス・ラボ主任研究員/科学コミュニケーター/星空と宇宙の案内人
1980年静岡市生まれ。天文少年→農学部→新聞記者→科学コミュニケーター(日本科学未来館)を経て、2018年からオンデザイン内の「アーバン・サイエンス・ラボ」主任研究員。「科学」して「伝える」活動を、「都市」をテーマに実践中。新たな「問い」や「視点」との出合いが楽しみ。個人活動で「星空と宇宙の案内人」などもやっています。
小泉 瑛一(Yoichi Koizumi) 
建築家/ワークショップデザイナー/アーバン・サイエンス・ラボ研究員
1985年群馬県生まれ愛知県育ち、2010年横浜国立大学工学部卒業。2011年からオンデザイン。2011年ISHINOMAKI 2.0、2015年-2016年首都大学東京特任助教。参加型まちづくりやタクティカルアーバニズム、自転車交通を始めとしたモビリティといったキーワードを軸に、都市の未来を科学していきたいと考えています。
さわだ いっせい / ウエスギ セイタ
YADOKARI株式会社 共同代表取締役
住まいと暮らし・働き方の原点を問い直し、これからを考えるソーシャルデザインカンパニー「YADOKARI」。住まいや暮らしに関わる企画プロデュース、空き家・空き地の再活用、まちづくり支援、イベント・ワークショップなどを主に手がける。

また、世界中の小さな家やミニマルライフ事例を紹介する「YADOKARI(旧:未来住まい方会議)」、小さな暮らしを知る・体験する・実践するための「TINYHOUSE ORCHESTRA」を運営。250万円の移動式スモールハウス「INSPIRATION」や小屋型スモールハウス「THE SKELETON HUT」を発表。全国の遊休不動産・空き家のリユース情報を扱う「休日不動産」などを企画・運営。黒川紀章設計「中銀カプセルタワー」などの名建築の保全・再生や、可動産を活用した「TInys Yokohama Hinodecho」、「BETTARA STAND 日本橋(閉店)」などの施設を企画・運営。著書に「ニッポンの新しい小屋暮らし」「アイム・ミニマリスト」「未来住まい方会議」「月極本」などがある。