Seasons Letter
#01
「森の小屋暮らし」
冬編
築30年の山荘をリノベーションし、昨夏竣工した「森の小屋」。施主である“Iさん”が現地での暮らしぶりを季節ごとにレポートする連載がスタートします。四季折々に移ろう信州の森から、どんな便りが届くのか。初回の冬編からお楽しみください!
#01
雪の景色を楽しむ小さな空間から
築30年の夏仕様の小さな山荘をオンデザインにリノベーションしていただいた住み手のIです。
もともと夏しか使用していなかった平屋の山荘を手に入れて過ごしていたのですが、
年をとるにつれて冬の寒さが身に応えるようになりました。
建て替えも考えたのですが、
私自身、森の中に佇む小さく地味なこの山荘がもともと好きでしたので、
思い切ってリノベーションという選択肢を選びました。
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ドライブの途中で浅間山がみえるところがある。雪の帽子をかぶった浅間山
年末年始も準備万端に
リノベーションの完成は夏だったのですが、
今回はこの冬の小屋暮らしの様子をご紹介したいと思います。
立地場所は小さな川沿いの敷地。夏仕様だったこの山荘は冬場とにかく寒い! そして水止めも大変。
アルミサッシの二重窓だった室内からは、目の前の川の景色も見渡せるほどではなかったのです。
ということで、これらの課題をクリアして
「冬は暖かく、水止めもラクチン、窓から景色を楽しむ」家にしていただきました。
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暖かな室内から雪の表情を満喫する特等席
そして迎えた冬。
クリスマスもお正月もここで過ごすことにしました。
クリスマスは北側にあるバスルームの外の木にオーナメント飾り、それを眺めながら入浴したり、
お正月は二面開口によりまるでアウトサイドリビングのようなダイニングでお節とお酒を堪能しました。
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クリスマスリースをほんのり雪景色の中楽しんだ
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お正月は川に向かうダイニングで景色とお節を堪能した
1月3日だったでしょうか。午後から雪が降り始め、翌日にはもう雪は消えてしまったのですが
窓の外がブラウンの世界から一転して、真っ白の世界になる様は、ほんとうに美しくドラマティック。
森の山小屋の暮らしの主役は、都心の家とは違って、自然なんですよね。
天気によって外の景色はぐるぐる変化する。
四季によってまったく窓の外の色彩が違う。
時間によって太陽の位置や影、光の入り方が変わる。
などなど、小屋にいてもまったく飽きることがありません。
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夕暮れ時になると夕焼けを望みつつ、ワインをあけるのが日課です
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北側のお風呂からも林と川を眺める
長野は食材も豊富
冬はといえば……朝の冷たくさえた空気、雪の上に影を落とす枯れた木々、影の色も刻々と変わります。
のんびり本を読んだり、仕事をしたりしているとあっという間に15時になって、すぐに夜の気配…
夏は19時くらいまで明るいのでテラスでマジックアワーを楽しむのですが
冬は夜が早いので16時くらいから夕ご飯の支度モードです。
夕飯の支度が終わると、ビールをもってお風呂場へ。
蝋燭を灯して夕景を眺める時間はなんともファンタスティックなんですよ。
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川の冬景色。乾いた空気と青空が心地よい
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雪が降った後動物たちの足跡がある散歩道
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雪が降るとあたり一面真っ白になって冬を感じる時間に
雪が降ると寒いのですが無性に散歩に出かけたくなります。
すると、川沿いの散歩道には動物たちの足跡が……犬もいれば、タヌキかキツネも。
夏には小鹿が川の中で死んでいて、何者かに襲われたのかもしれません。
そして、信州では魚や肉、きのこ、野菜がとても豊富。
毎年楽しみにしているのは、「五郎兵衛米」の新米です。
今年もやっと手に入れた五郎兵衛さんの新米を炊いて、ほっこり、にっこり楽しんでいました。
お節に飽きた頃に、精米したばかりの新米は、実に美味しかった。
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炊き立ての五郎兵衛米の美味しいこと
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軽井沢のブランド米を新年から味わう幸せ
雪景色を楽しむ日々
前の家よりも強力な断熱材を屋根にも壁にも床にも入れてもらったので、
驚くほど室内はあったかくなりました。
床暖房は入れずに、リビングダイニングにオイルヒーターをふたつ設置しています。
冬場はだいたい朝起きるとマイナス10度程度です。
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猫も断熱性能が上がってからぬくぬく過ごしています
水抜きのほうは、不在時は水回りの水道管を温めて水止めを一箇所するだけで
以前のように何箇所も水抜きと水止めをしなくてよくしてもらいました。
面倒なことが減り、毎週のようにここにきています。
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晴れた日はテラスのテーブル&チェアで冬でものんびりします
窓はアルミサッシからシンプルで大きな開口に変えていただいたので
外部の自然がとても近くなりました。
以前はテラスで過ごす時間が多かったのですが、
冬場は室内にいながらにして目の前に繰り広げられる冬枯れや雪景色を日々楽しんでいます。
これから春に向かって、少しずつ変化する冬の小屋暮らしが楽しみです。